アディロンダック・スプルース と エゾマツ
北米東部のアディロン山地に産するスプルースの仲間です。レッド・スプルースと呼ばれることもありますが、厳密には違いがあります。檜のような匂いが独特で、ヴィンテージ・マーティンのギターに使用されて有名です。弾き込む程に倍音が増していく、パワフルでクリアーな音色は人気があります。シトカスプルースと比べて強度があり、材を薄くし製作できます。
ワシントン条約の対象にはなっていませんが、近年良材を入手するのは困難で、ジャーマンスプルースとともに主に高級ギターに使用されています。それもかなり目幅が広い材が使用されていたりします。我が家ではMartinの000-18GolenEra(GE)のTOPに目幅のほどよいベアクローの入った良材が使用されています。パアフルでねばりのある音色が魅力です。
エゾマツ Yezo Spruce
樺太~北海道に分布。心材~辺材、全て淡い黄白色です。比較的軽軟な材です。気乾比重:0.47。木目がまっすぐに通っており美しく、また繊維が長い。ピアノ、バイオリン、ギター等様々な楽器に使用される。色・音質共にイングルマン スプルースに似ていますが、よりタイトで粒立ちがはっきりした音色です。国産の良質ギターには、クラシック・アコースティック共に用いられています。YAMAHAはこの材を好んで用い、クラシックギターのYAMAHA GC-40のTOPに使われています。また、GC-5(1970)やGC-41(2002)のTOPにも用いられていました。