雛人形十五人のうち、お内裏様とお雛様。今では多くがこの二つの人形の親王飾りと言われるものを購入することが多いと思います。お内裏様とお雛様とは、天皇家の天皇と皇后の結婚の儀がルーツにあるのですが、その呼び方が誤用であるようです。雛人形の中でももちろん中心になる人形で、我が家でも最初の年に一つ一つ違うお人形の顔で選びました。
今見ても、ほんとうにほれぼれするような素敵な人形の顔です。一体一体精魂込めて桐塑と胡粉で顔を作っている人形師(頭師)さんの想いが伝わってきます。他の店先に並んでいる人形に目移りしたことはないくらいに気に入っています。お雛様の着物は落ち着いた赤色です。お内裏様が少し派手にも思える金の箔を多く使った着物なのですが、それが意外に淡い光線の中では渋くシックに見えます。
他の人形もそうなのですが、このお雛様の着物は本当に人が来ているように一枚の着物を着せてそれを姿に合わせきちんと折りたたんで作られています。人形師(着付師)さんの手が込んだ作りです。 頭師さんも着付師さんもどちらも伝統工芸士の指定を受けた方でいらっしゃいます。
その雛人形が縁あって我が家にやってきて20年以上。子どもを無事に見守っていただき、ありがたいことです。